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新事業承継税制(20.11.27更新)
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新事業承継税制(20.11.27更新)

 中小企業は日本経済の基盤となるべき存在で、その経営承継は雇用の確保や地域経済活力維持の観点から極めて重要です。そこで、政府は「中小企業における経営承継の円滑化に関する法律」(以下、「中小企業経営承継円滑化法」という。)を創設し、中小企業の経営承継をバックアップする体制を構築しつつあります。

以下の情報はお客様向けのものです。
詳細を当事務所担当者にご確認いただくことを前提としておりますので、その旨、ご承知ください。


中小企業経営承継円滑化法の概要

中小企業の円滑な経営承継のため、中小企業経営承継円滑化法により、
 @遺留分に関する民法の特例
 A金融支援制度
 B相続税の納税猶予の特例
が、創設または創設が予定されております。

遺留分に関する民法の特例

 相続で争いとなった場合に相続財産である自社株にもその争いは及び、後継者の経営に悪影響を及ぼすことがあります。それを防止するために、経営者が事前に自社株を後継者に贈与する対策が採られるのですが、後継者以外の相続人が後継者に対して遺留分の減殺請求をすると、場合によっては後継者は遺留分請求者に対して自社株を渡さざるを得なくなり、後継者への株式等の集中が損なわれる可能性がありました。そこで、新法では当事者全員の合意を条件に、生前に贈与した株式等を遺留分算定基礎財産から除外できるようにされました。

 また、自社株を遺留分算定基礎財産からは除外しないものの、後継者が贈与を受けた後の自社株の値上がり分は後継者本人の努力の成果によるものとして、当該自社株の遺留分算定時の価額を関係者の合意時点の評価額とすることができることとなりました。

相続税の納税猶予の特例 ( 概要 )

 今回の「中小企業経営承継円滑化法」で税制面で手当てされたのは、「取引所のない株式等の納税猶予制度」です。

 この「取引所のない株式等の納税猶予制度」とは、
●後継者である相続人が、
●非上場会社を経営していた被相続人から相
  続等により当該会社の株式を取得し、
●その会社を経営していく場合には、
その後継者が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した議決権株式の一定部分について、その課税価格の80%に対応する部分の相続税額が納税猶予される制度です。

 この制度は、評価額が大幅に減額されるという点で、小規模宅地の特例と類似し、納税額が猶予されるという点で、農地にかかる納税猶予の特例と類似しており、イメージとしては、これら二つの制度を合わせたような制度と理解されるのがよいかと思います。

相続税の納税猶予の特例 ( 適用要件の概要 )

(1)被相続人の要件
 @会社の代表者であったこと
 Aその会社の発行済株式等について、同族関係者と合わせてその同族関係者(事
  業承継相続人を除く)の中で筆頭株主であったこと

(2)対象株式等の要件
 相続等の結果、相続開始前から既に保有していた議決権株式を含めて、その会社の発行済議決権株式の総数等の3分の2に達するまでの部分の株式

(3)事業承継相続人の要件
 @会社の代表者であること
 A中小企業経営承継円滑化法における経済産業大臣の認定を受けた一定の中小
  企業の発行済株式等について、同族関係者と合わせてその過半数を保有し、か
  つ、その同族関係者の中で筆頭株主である後継者

相続税の納税猶予の特例 ( ポイント )

 80%の評価減というところばかりに目が行ってしまいがちですが、当該株式の発行会社について経済産業大臣の認定が必要な点、また、納税の免除ではなく「猶予」である点について注意が必要です。
法定申告期限から5年以内
@代表者であること、A雇用の8割以上を維持し続けること、B当該相続株式を継続保有していること、の要件を一つでも満たさなくなった場合には、猶予を受けた税額(当初申告で減額された税額)の全額および利子税を納付しなければなりません。
法定申告期限から5年経過後
事業承継相続人が死亡した場合は猶予額は免除されますが、当該株式を譲渡した場合には、譲渡した株式に対応する猶予税額および利子税の納付が必要になります。


 「猶予」ではなく、「免除」の特例であればよかったのですが、この制度の悪用(租税回避)を防ぐため、特に5年間は非常に要件が厳しくなっております。この税制自体は平成21年度の税制改正で施行され、遡って本年10月1日以降相続分から適用されるようですが、まだ、具体的な条文が出来上がっておりません。政局が混乱するなか21年度の税制改正は注目すべきものです。

◆ 20年11月27日 Up! ◆
 上記の改正と併せて、相続税の抜本的な計算方式の改正(法定相続分課税方式から遺産取得課税方式)も検討されておりましたが、自民党税制調査会は、20年12月27日、平成21年度税制改正での相続税の抜本的な計算方式の改正を先送りする方針を固めたようです。


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